HAPPY CANDY
今日は余裕のある時間に家を出た。
ゆっくり歩きながら飴を舐める。
あたしが1番好きな飴。
なかにキラキラした金箔が入ってて、バラの味がする。
可愛い、ハートの形。
中学の時に、部活が辛くて辞めたいって思ったとき、まだ付き合ってなかった拓真が、「これやるから元気出せ」ってくれた飴。
拓真との思い出ではあるんだけど、この飴を舐めると元気が出る。
だらだら歩いてたのに、すごく早く学校についてしまった。
「教室、誰もいないかもなぁ」
そんなことを1人でつぶやいて、下駄箱に近づく。
下駄箱を開けると、1通の手紙が入ってた。
中を開くと・・
「───なにこれ」
『高橋楓に色目使うな。
次喋ったら潰す』
「・・・怖っ!」
色目とか使ってないしね!
とりあえずカバンに手紙を突っ込んで教室へ向かった。