HAPPY CANDY
「・・・さん?七瀬さん?」
「えっ?は、はいっ!」
ふと我に返ると、楓くんが心配そうにあたしの顔を覗き込んでいた。
「どうした?ぼーっとして」
「え・・・いや、なんでもないよ!ありがとっ」
今更拓真のことを思い出すなんて・・・。
授業中もぼーっとしてた。
楓くんから香る香水の匂いが頭から離れなくて。
・・・嫌だな・・・。
「楓くん!」
「ん?なに?」
「こ、これっ、あげるよ」
昼休み、落ち着かなくなってあたしの香水を楓くんにあげた。
「あたしが使ってたやつなんだけどさ、あんまり女物っぽい匂いじゃないし・・・どうかな~って・・」
「まじ?さんきゅっ! つけてみていい?」
「うんっ」