好きの一言


授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、私は一人で部室に向かった。



ガラガラ……


「あの~…誰か居ますか?」


『……誰も居ないんだ…』


目の前にあるカーテンを開けると


「きゃっ!!」


あいつが部室の椅子で寝ていた。
私は自分の顔が赤くなっている事に気づいて、カーテンを閉めた。


「あの!部活始まりますよ!」

「……ん」


『うわー寝起きだ…』


カーテンが開く。


「おーちび。何やってんの」


「ちび…って…」


「まさか男バスのマネ?」


「悪い?」


「いや。じゃこのタオル洗っといて」


と私の目の前にあいつが立った。


「………好きかな!」


自分の言葉に驚きを隠せなかった。


「いやっあはは!何言ってんだろ!気にしないでね!タオル洗ってきまーす」


と慌てて立ち去ろうとした。
だが、あいつに腕を捕まれた。


「俺も好き」


「え?」


「だから、俺も好き」


「ん!?」


「どんな顔してんだよ、お前」


「いっいや」


「まっよろしく!梨恵ちゃん」


私はそのまま立ち尽くししばらく真っ白になった。



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