好きの一言
な
その夜は眠れなかった。
あいつのあの言葉と笑顔が頭の中で永遠にまわっている。
「付き合ってるって事なのかな…」
私はあいつの電話帳を開いた。
そのままずっと画面を見つめてあいつを思い出していた。
ピピピピピピ‥
「うわっ遅刻!!」
あのまま寝てしまったんだろう、
ぎりぎりの時間に起きてしまった。
「あーもう、忙しいんだか……」
プルルルルー
あいつから電話がきた。
私はびっくりして持っていたポーチを床に落としてしまった。
「は……い」
「おはよ、俺」
「ん」
「早くでてこい」
「えっ?なに?ちょっどうゆうこと!」
プチップーップー
「……………まさかっ」
玄関の扉を勢いよく開けるとそこにはあいつがいた。
「おせー」
「来るなんて聞いてないよ?」
「言ってないし」
「で…どうしたの?」
「は?学校行かねーの?迎えに来てやったんだけど」
「えっ!あ…えっと…わかった!すぐ行くねっ」
バタン
『やっぱり私たち付き合ってるんだ…』
顔が赤くなって私は少しだけ微笑んだ。
そのまま自転車で行こうとすると
「はい」
「はっ!?私が前乗るの!?」
「当たり前だろ」
そのまましぶしぶ自転車をこいで学校に向かった。
この時見た桜は今までで一番綺麗だった。