雫。
私の行く高校は、市内ではそこそこ頭のいい学校だった。
だから私が合格したときは、お母さんはなぜか泣いていた。
どうやらすごく嬉しかったらしい。
高校に受かったのは嬉しかったけど、仲の良かった親友とは離れてしまったから、人見知りのあたしはちょっと不安だった…。
でも、泣きながら喜んでくれたお母さんを見ると、頑張らなくちゃと思った。
何せあたしには、小さい頃からお父さんがいない。
癌で亡くなったとお母さんから聞いている。
だから、ここまで1人で育ててくれた母にはとても感謝していた。
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