蘭蝶Ⅱ【完】
机に菊の花があって、落書きされていて――

あのときと全く一緒で、怖かった

また、ああなるんじゃないかって


桜「もっと強くならなくちゃ…」


こんなことで怯えていたら、みんなを守れない

弱い自分でいたくない――


でも、それは単なる強がりで、震えは止まらない


―――ガチャ


ドアが開く音がした

見ると、蓮が屋上に入ってきた


桜「何しに来たの?」


本当はこんな言い方したくない

でも、そうしなければ声が震える――

みんなには、弱い自分なんて見せたくないから―

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