レンタル彼氏 Ⅰ【完結】
「最後にたくさん苛めてあげたいけど…今日は普通に抱いて?」


「………………」


俺は何も言えず、頷くだけで精一杯だった。


その後のこと。




ぶっちゃけると、全然覚えてない。

ただ、終わった後トイレで涙を流しながら戻したことだけ覚えてる。




最後に。

最後に見せた万里さんは。




“女”だった。




知りたくなかった。
知りたくなんてなかった。



俺を軽蔑するような瞳で見下して。
細い指で俺を平手打ちする。



最後までそうであって欲しかった。

最後にそんな熱のある瞳を見たくなんてなかった。
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