レンタル彼氏 Ⅰ【完結】
「忘れ物はない?」
「ないない、あってもいらないよ」
「皆に挨拶した?」
「したした、ほら、これプレゼント貰った」
首にかけた折り紙で作った金のメダル。
その裏にメッセージ付きで。
「一生会えないわけじゃないし、またなんかあったら来るから」
俺がそうやって言うと、鈴恵さんは小さく息をついてから微笑んだ。
「そうね、ここでいつでも伊織を待ってるわ。
何かあったら遠慮なく、ここに来なさい」
「……うん」
その言葉が、胸に沁み込んで来て鼻がつーんとする。
最後ぐらい、笑顔でさよならしたい。
例え、一生の別れでなくても。
「あ、来たわよ」
くるっと振り返ると、あの写真の中にいた女の人が立っていた。
少しだけ、老けたのかもしれない。
だけど、やっぱり綺麗だ。
どうしたらいいのかわからずに、おろおろとしている。
その姿が頼りなくて、ふっと笑うと俺は鈴恵さんを真っ直ぐに見てあるモノを渡した。
「ないない、あってもいらないよ」
「皆に挨拶した?」
「したした、ほら、これプレゼント貰った」
首にかけた折り紙で作った金のメダル。
その裏にメッセージ付きで。
「一生会えないわけじゃないし、またなんかあったら来るから」
俺がそうやって言うと、鈴恵さんは小さく息をついてから微笑んだ。
「そうね、ここでいつでも伊織を待ってるわ。
何かあったら遠慮なく、ここに来なさい」
「……うん」
その言葉が、胸に沁み込んで来て鼻がつーんとする。
最後ぐらい、笑顔でさよならしたい。
例え、一生の別れでなくても。
「あ、来たわよ」
くるっと振り返ると、あの写真の中にいた女の人が立っていた。
少しだけ、老けたのかもしれない。
だけど、やっぱり綺麗だ。
どうしたらいいのかわからずに、おろおろとしている。
その姿が頼りなくて、ふっと笑うと俺は鈴恵さんを真っ直ぐに見てあるモノを渡した。