レンタル彼氏 Ⅰ【完結】
毎日、一時間。

参考書を買って、一通りの勉強をする。

わからなければ母親に尋ねた。
それでもわからなければ、携帯で調べたりしている。
情報化社会って凄い。


俺の集中力が途切れたぐらいの時間に、いい匂いをさせて決まって母親が俺を呼ぶ。

こんな些細な出来事も、俺の大切な一部になった。
億劫だと思っていた勉強も、今は楽しい。


後々、レンタル彼氏を始めて勉強をしていてよかったと本当思った。

知識があるのと、ないのとではこうも変わるものかと思った。


色恋をしてる時は、体を重ねることばかりしていたけど、レンタル彼氏をしてる時は会話で過ごすことを覚えた。



レンタル彼氏をしていなければきっと、ホストのナンバーワンになれたと思う。
それぐらいに思う。


母親はこんなことのために勉強を勧めたんじゃないことぐらい、嫌ってほどにわかってるけど。

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