レンタル彼氏 Ⅰ【完結】
私と貴方の化学反応
ま、じですか。



さっきまでパソコンで見てた伊織の顔がすぐ近くにある。
伊織の隣には髪の長い女の人。
顔はよく見えない。



私は急いでポテトとメロンソーダを手に持つと、外へ飛び出した。




伊織ってこんな近くにいたの?




ドキドキと逸る胸を抑えながら私は反対車線へ渡る。


さっきから携帯が鳴ってるのにも気付かない。
それほど夢中だった。



私は映画館の前に着くと、二人はちょうど券を購入した後らしく、館内へ入ろうとしていた。


私は二人が購入していた売り場に行くと

「あのカップルと同じ映画チケット一枚」

と、告げていた。


「………は?」


あっけらかんとした売り場のお姉さんの声。
そりゃそうだ、いきなり同じチケットと言われても不審がるだろう。



一か八か。
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