レンタル彼氏 Ⅰ【完結】
なんだかんだで俺が母親と暮らして、二ヶ月が過ぎた。
学校に通っていたら、中学三年になっている。


毎日、接客して、掃除して、勉強しての繰り返しだったけど充実していた。


あれから父親の話は聞いていない。

何かあれば、母親から話するだろうと、何も聞かないでいた。


そんなある日だった。


夕飯も食べて、お風呂にも入った俺は寝室で寝る準備をしていた。
下で母親はまだ帳簿をつけている。


灯りを消して、うとうとし始めた頃、急にドンドンドン!と大きな音がした。


それにびくっとして、目を開けると直ぐ様飛び起きて母親の元へと向かった。


「紀子さん、大丈夫…」


そう、言い掛けた声に重なる声。


「紀子、金出せよ」


荒々しくて、刺々しいそいつの声。


一瞬で誰だか理解する。




父親だ。
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