レンタル彼氏 Ⅰ【完結】
物音で目覚めたのは静まり返った深夜だった。
電池が切れたのか、ウォークマンはいつの間にか止まっていた。


「…………っ、………」


何やら声も聞こえる。
寝ぼけながら俺は部屋を出ようとした時に気付いた。


卑猥なその声に。


冷水を浴びたように目が覚める。

二ヶ月の間に。



聞いたこともない、その声。


それの狭間に、洩れる男の声。




まさか。


ああ…。


まさか。



その声の主は。


………あの男なの…?



込み上げてくるモノを、両手で必死に押さえつける。




気持ちが悪い。


規則的に聞こえる、衝突音。
合間に聞こえる甘美な声。




理解、出来なかった。

何が、どうなっているの?


どうして、今、そうなっているの?
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