レンタル彼氏 Ⅰ【完結】
そんな風に見てしまうのは、きっと相手があいつだからだ。


こんな綺麗な母親だ。
他の素敵な男性と、関係を持ってもおかしくないと思う。

全然、そう思える。

だけど、あいつは別問題だ。


どうして、他の女と仲良くやってる男なんだ。



事実、まだ離婚はしてなくて。
俺の父親だけれども。


これじゃあ離婚はしてないだけで、してるも同然だろう?


拭っても拭っても、拭いきれない嫌悪感が俺を支配する。



もう、二度と来ないで欲しい。
…そしたら、また母親を笑顔で見られるかもしれない。


そう思った。



そんな俺の思いを裏切って、あいつはまた現れた。

これを機に、ちょくちょく来るようになった。



開けても一週間。
酷い時は三日続けて。


金をせびったのは、数日だけでほとんどはあれをするため。


耳を塞ぐことが限界に達していた俺は、閉店の片付けをしている母親に出かけてくるとだけ告げて店を飛び出した。

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