レンタル彼氏 Ⅰ【完結】
そうやって、ご機嫌そうに美佳は電話を切った。


何時に、どこで。
肝心なことは何も言わない。
なんとも美佳らしい。


あの事件の後、俺は美佳に大分お世話になった。
一時期、美佳のところに住ませてもらっていた。


そんな美佳の職業は

“レンタル彼女”

だった。


値段も、レンタル彼氏とは比べモノにならないぐらい安い。
それに在籍もかなり多い。

美佳はその中でも人気だったけれど、俺ほど予約が詰まっているわけでもない。


レンタル彼女をしてる美佳に、今の社長を紹介してもらって、俺は働くことになった。
社長が俺を酷く気に入ってくれたってのもあるけれど。


レンタル彼氏で働く皆は、社長自らハンティングしたと、そう聞いた。


Sランクは特に。


でも。


それが間違いだったのかな。



レンタル彼氏をやってる内は、俺に一切の自由がないに等しいのだから。
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