レンタル彼氏 Ⅰ【完結】
伊織の肩に頭を預けて女は映画を見ていた。
この陳腐な糞映画に時折涙など流しながら。


うまくいきそうでいかない、そんな二人は最後結ばれて。

誰しもが想像出来るありきたりなパターン。




こんな映画にお小遣い出したかと思うと、少し後悔してきた。


伊織を見れただけで、これといって何か進展があったわけでもない。



本当にただの他人で、まっかっかーの赤の他人なわけで。



私が伊織を見下ろしてることも、伊織は知らないんだ。
そう、思うと少し切なくなった。



どうしてそう思えたのかはわからないけど。





涙を流して感動する女の頭を撫でるのは、レンタル彼氏だからなのだろうか。
それとも、恋愛感情からなのだろうか。

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