レンタル彼氏 Ⅰ【完結】
何も言わず、私を引っ張ると順二は屋上前の踊り場に私を連れてきた。
到着すると、ようやく順二は腕を離した。
捕まれた場所が、じんじんと熱い。
いきなりの順二の行動に私は高鳴る胸を抑えた。
ここまで連れて来たのに、中々順二は口を開こうとしない。
思い詰めたように、押し黙っている。
何か言おうかと私が口を開きかけた時。
「……合格、おめでとう」
ボソッと順二が言った。
「………ありがとう」
「……………」
「………………あ、順二も大学行くんでしょ?」
「ああ」
「頑張ろうね」
「ああ」
「……………」
順二が言いたいことってこれ?
そんならさっき、教室で言ってもよかったのではないだろうか…。
また、そうやって思った時。
「………泉…。
俺」
「…え?」
順二が俯いていた顔を上げ、しっかり私と視線を交えて言った。
「やっぱり、泉が忘れらんねえ!」
「…!!!」
真剣な…告白。
こっちが本題だったんだと、また後で気付く私は本当に鈍感だ。
到着すると、ようやく順二は腕を離した。
捕まれた場所が、じんじんと熱い。
いきなりの順二の行動に私は高鳴る胸を抑えた。
ここまで連れて来たのに、中々順二は口を開こうとしない。
思い詰めたように、押し黙っている。
何か言おうかと私が口を開きかけた時。
「……合格、おめでとう」
ボソッと順二が言った。
「………ありがとう」
「……………」
「………………あ、順二も大学行くんでしょ?」
「ああ」
「頑張ろうね」
「ああ」
「……………」
順二が言いたいことってこれ?
そんならさっき、教室で言ってもよかったのではないだろうか…。
また、そうやって思った時。
「………泉…。
俺」
「…え?」
順二が俯いていた顔を上げ、しっかり私と視線を交えて言った。
「やっぱり、泉が忘れらんねえ!」
「…!!!」
真剣な…告白。
こっちが本題だったんだと、また後で気付く私は本当に鈍感だ。