レンタル彼氏 Ⅰ【完結】
「やっぱり伊織じゃねえか」
そこにいたのは。
俺に様々なレンタル彼氏として生きていけるルーツを教えてくれた…。
「………………店長」
あの、キャバクラの店長がいた。
「ははっ、もう店長じゃねえよ」
「………」
何でこんな普通に会話出来るのだろうか。
あの日、俺を確実に奈落の底へ突き落としたというのに。
未だ、美咲さんの声が頭に響いて絶望するのに。
そんな気持ちに打ち拉がれていると、店長はまた明るくからっと笑う。
「あれからな、俺暫くして店辞めて。瑞恵も辞めて…あ、瑞恵って美咲な?
瑞恵と結婚したんだよ」
「…………」
結婚。
美咲さんは誰よりも店長を愛していたから。
だから、然程驚きはしない。
「……伊織、あの時はごめんな」
申し訳なさそうに、言った店長を俺はキッと睨んだ。
もう、時効とでも言うのだろうか。
俺を傷付けたことは時効だと。
そこにいたのは。
俺に様々なレンタル彼氏として生きていけるルーツを教えてくれた…。
「………………店長」
あの、キャバクラの店長がいた。
「ははっ、もう店長じゃねえよ」
「………」
何でこんな普通に会話出来るのだろうか。
あの日、俺を確実に奈落の底へ突き落としたというのに。
未だ、美咲さんの声が頭に響いて絶望するのに。
そんな気持ちに打ち拉がれていると、店長はまた明るくからっと笑う。
「あれからな、俺暫くして店辞めて。瑞恵も辞めて…あ、瑞恵って美咲な?
瑞恵と結婚したんだよ」
「…………」
結婚。
美咲さんは誰よりも店長を愛していたから。
だから、然程驚きはしない。
「……伊織、あの時はごめんな」
申し訳なさそうに、言った店長を俺はキッと睨んだ。
もう、時効とでも言うのだろうか。
俺を傷付けたことは時効だと。