レンタル彼氏 Ⅰ【完結】
店長が今謝ったのは、自分が楽になりたいだけなんだ。
イケイケだった昔の面影なんかなくって、よき旦那な雰囲気をぷんぷんさせて買い物カゴを持っている。
欲しかった未来は全て、あの時に失ったんだ。
堕ちるとこまで堕ちて、身内のいない俺は、何もかもを失って、あの施設に戻ったんだから。
「はっ………!」
俺は嘲笑うと続ける。
「今更何を言おうと、俺はもう昔の俺じゃない。
イロをした時に、俺は俺を捨てたんだ。
そうさせたのはあんたじゃねえか」
「…………伊織」
店長は言葉を呑み込む。
「そのお陰で今、俺には何も残ってないんだ。
だから、もう二度と俺に関わらないで。
見ても話かけたりなんかしないで」
それだけ言うと、俺は踵を返してカゴを置き去り、スーパーを後にした。
そのまま、バイクに跨がると無我夢中で走らせた。
これからはもっと遠くのスーパーにしなきゃ。
あんなとこに住んでたなんて。
悔しさと、切なさと、憤りと。
ぐちゃぐちゃに折り重なって俺にのしかかる。
イケイケだった昔の面影なんかなくって、よき旦那な雰囲気をぷんぷんさせて買い物カゴを持っている。
欲しかった未来は全て、あの時に失ったんだ。
堕ちるとこまで堕ちて、身内のいない俺は、何もかもを失って、あの施設に戻ったんだから。
「はっ………!」
俺は嘲笑うと続ける。
「今更何を言おうと、俺はもう昔の俺じゃない。
イロをした時に、俺は俺を捨てたんだ。
そうさせたのはあんたじゃねえか」
「…………伊織」
店長は言葉を呑み込む。
「そのお陰で今、俺には何も残ってないんだ。
だから、もう二度と俺に関わらないで。
見ても話かけたりなんかしないで」
それだけ言うと、俺は踵を返してカゴを置き去り、スーパーを後にした。
そのまま、バイクに跨がると無我夢中で走らせた。
これからはもっと遠くのスーパーにしなきゃ。
あんなとこに住んでたなんて。
悔しさと、切なさと、憤りと。
ぐちゃぐちゃに折り重なって俺にのしかかる。