レンタル彼氏 Ⅰ【完結】
「ブログ見付けて、そこに伊織と千里ってありました」


「ブログ?」


「はい、それでレンタル彼氏と伊織、千里と入れたらすぐ出ました」


「あー……まじか」


難しい顔をしながら呟く伊織。



「また色々考えないとだな…」


一人言のように呟く伊織の言葉の意味は私にはわからなかった。



「で、よく俺がわかったね」


難しい顔をぱっと綻ばせて、私を見つめた。
笑ってるはずなのに全く笑ってない伊織の瞳が不気味だった。



「すぐ、わかりました」



そう。
本当にすぐ。




ファーストフードから、あの人混みの中。


伊織だけは、他にはない空気を纏っていたから。



「…ふーん」


聞いておきながら大して興味なさそうな伊織は適当に相槌を打つ。
それに腹が立つこともなく、私は彼はこうなんだと受け入れている。
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