レンタル彼氏 Ⅰ【完結】
今日は社長がいる。
「佐々木、か。どうだ、あいつらは」
“あいつら”とは、Sランクの彼等の事。
「普通です、変わった事はないです」
いつもの様に報告すると、社長は口角だけ上げて頷く。
僕は元々こんなとこ入ろうとしたわけではない。
割りのいいバイトを探してて、面接に来たが最後。
そこからずっと、ここのレンタル彼氏の世話係をしている。
他にも世話係はいるが、僕はなぜか最高クラスのSランクの世話係だ。
待遇はそれなりにいい。
部屋もSランクよりは劣るけど、独り暮らしにしてはまあまあ広いとこを寮にしてもらえている。
Sランクで顔がかっこいい、モデル体型。
芸能界にいる様な容姿。
……だけど、過去がある。
そんな彼達。
その世話係の、なんてことない、本当になんの変哲もない僕。