レンタル彼氏 Ⅰ【完結】
そんな馬鹿げたことを言った私と、そんな私に呆れた伊織は何故かファーストフードで向き合って座っていた。


先に喋ったのは伊織だった。


「……分割って、2000万だぞ?」


「……はい」


うん、夢のような金額で現実味が全くない。
だから頷くしか出来ない。


「風俗で働いてたって、いつ払えるかわかんねえし、AVだって何本出なきゃいけないかわかんねえ」


「………」


そうなのか。
風俗とかAVってもっとポンポン稼げるんだと思ってた。


…じゃあ、今日一緒にいた綺麗な女の人は相当金持ちなんだろうか。



「そんな覚悟ないだろ?」


「……風俗とかAVやる気はないです」


「いや、どう払うの」


あからさまに嫌な態度をとって見せる伊織が、私に苛立ってることには気付いていた。

でも、体を売るつもりなんか更々ない。
私にはやりたいことがある。



「仕事して、払います」
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