レンタル彼氏 Ⅰ【完結】
「年齢はわかるけど血液型も?」


「あー、うん」


伊織はいかにも面倒臭そうに頭を掻きながら。


「女って血液型の相性占いみたいなの好きだろ?」


「確かに」


納得した。

伊織はきっと、相手がA型の彼氏がいいと言ったらそれを演じるんだろう。
それが18歳でも28歳でも。


「じゃあ、伊織は毎回相手に合わせて年齢変えるの?」


「まあね」


「…難しくないの?」


「別に。簡単だよ」


「………」


それに思わず感心してしまう。
16の私がいきなり18になれってだけでテンパりそうなのに。
それを彼は簡単だと言いのけてしまうのだ。
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