レンタル彼氏 Ⅰ【完結】
そう言うと、伊織は私の腕を自分の方へと引っ張りそのまま唇を奪った。






私のファーストキス。





「キスの経験、月2000万の伊織様のみ」


「~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!」



心底、からかうのを楽しそうにしてる伊織に思い切りぶちかましてやった。



私のグーパンチ。



「………いってぇ…!」


伊織は殴られた頬を押さえて、私を睨んだ。
何よ、文句言いたいのは私です!



「いきなり、何すんのよ!」


頬をすりすりしながら、伊織はまだ睨んでいる。



「…だって、俺ら恋人じゃん」


「……でも、順序ってのがあるでしょ!」


「順序って?」


「まだ出会って3日だよ!?付き合うっつっても、仮だし、本当の恋人じゃないし、何より!」




そこで私ははっとして口を噤んだ。




「………何より?」




伊織はまだ頬をすりすりしている。


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