黄緑絵の具
あれから僕とスグリは結婚し、ベリアルはうちに住んでいる。
たまにフラッといなくなることもあるけど、必ずうちに帰ってくる。
いない間に何をしてるかなんて問いただすことはしない。
ベリアルと家族でいるために、僕とスグリで決めたことだった。
『こんなにこき使われるなんて……
使い魔以下ではないか』
『ベリアル狙いのお客さんが増えたからだよ。
ちゃんとお給料も出してるし』
愚痴っているその横顔が、楽しそうに見えるのは気のせいではないと思う。
初めて給料を渡した時なんて、目を輝かせていたし。
『シュウ、いいことを思いついたぞ』
『なんだよ』
『この働きの見返りに。
娘が生まれたら我の嫁にくれないか?』
こっちを見ているベリアルは真剣そのものだった。