黄緑絵の具
出て行ってほしいと頼んだ。
迷惑だと説明したし、土下座もした。
それでもスグリは、僕の側にいると言う。
悪魔にもらった物なんて、やはり開けるべきではなかった。
スグリはいつまでここにいるつもりなのだろうか。
僕は頭を抱え、考え込んでいた。
『シュウ、お腹空いてない?』
起きてから何も食べていなかったと気付く。
返事の代わりに、腹の虫がなった。
『あたしに任せろ』
スグリは嬉しそうに笑った。
しばらく経つと、キッチンからガチャガチャと派手な音が聞こえてきた。
考え過ぎてイライラしていたせいか、その音がやたら耳障りだ。
『何やってんだよ!』
キッチンのドアを開けると、スグリが中華鍋を振っていた。
『あと10分待ってて!』
『……分かった。』
怒ったつもりが逆に怒られてしまった。
そのまま黙って見ていると、スグリは手際良く料理を仕上げていく。
出来上がった料理は凄く美味しそうで。
また僕のお腹はグーっと鳴った。