黄緑絵の具
……目覚ましの音が聞こえる。
起きて学校に行かなくちゃ……
時計に手が触れる前に音が止まった。
起き上がろうとして、何か抱いていることに気が付いた。
柔らかくて温かい……
目を開けると。
僕が抱いていたのは裸のスグリだった。
『うわぁ! な、なんで裸!?』
飛び上がった勢いで布団がめくれ、スグリの裸体が露わになる。
『ん~
……シュウ?』
寝ぼけ眼で起き上がったスグリの姿は、僕にとって刺激的過ぎた。
『なんで裸なんだよ!!』
叫んだ瞬間、鼻血が垂れた。
『……ごめんなさい。』
『もういいよ……』
なんとか鼻血は止まったものの、講義の時間は差し迫っている。
何度も謝るスグリにTシャツを着せ、急いで支度をする。
『お昼には帰るから。
それ脱いじゃダメだからね』
しょんぼりしているスグリに念押しし、慌てて家を出た。
学校に着いてからもスグリのことが気になり、授業に集中できず。
『周平、コンパの人数足りなくてさ』
『ごめん。忙しいから!』
友人の誘いも断り、まっすぐに帰宅した。