黄緑絵の具
『我と契約しろ。
我のものになれば、使い魔の契約は無効となる』
『それだけは絶対嫌です』
ベリアルはまだ僕の事を諦めていないようだ。
スグリが僕の腕を掴み、上目遣いでこちらを見ている。
涙ぐむ、その目がとても悲しそうで……
一瞬、心臓がキュッとなった。
心臓の鼓動が速くなる。
『ほう……お前はもっと素直になった方が良いぞ。
顔が真っ赤ではないか』
僕はスグリから視線を逸らした。
それと同時にスグリの手に力が入った。
クソッ!!
『なんだってこんなことになるんだよ!
僕が何をしたっていうんだ!
お前ら二人共、出てけ――!!』
どうしたらよいか分からなくなり、気が付くと僕はアパートを飛び出していた。