黄緑絵の具
『使い魔は主がいないと存在できないもの。
スグリって子の事、嫌いじゃないんだろ?』
僕は返事をせずに、俯いた。
少しの沈黙の後、スミレさんは溜め息をついた。
『決めるのはあんたさ。ただね……黄緑色は新芽·再生·転機を示す色だ。
あんた自身が自分を見つめ直すいい機会だと思うけどね』
それだけ言うと、スミレさんは店に戻っていった。
使い魔は主がいないと存在できない。
このまま僕が拒み続けたら、スグリは消えてしまう……?
その言葉だけが頭の中をグルグル回っていた。