黄緑絵の具
言葉を放った瞬間、スグリが僕から離れた。
『いいの!?』
『うん……』
抱いていた温もりが急になくなり、少しだけ寂しく感じる。
『ありがとう! あたし頑張るから!!』
何を頑張るんだ?
また心の中でツッコミを入れてしまった。
キュ~
クルルル~
『…』
『…』
二人同時にお腹がなった。
『……おなか空いたね』
『あたしが何か作るよ』
二人で抱き合ったことに加え、お腹の音が鳴ったこともあってものすごく恥ずかしい。
『ふふっ。シュウの顔、真っ赤だね』
スグリは笑いながらキッチンに行ってしまった。