黄緑絵の具
財布を確認し、ポケットにケータイと財布を突っ込む。
スグリは何しにあっちの部屋に行ったんだろう。
様子を見に行くべきだろうか。
迷っているとスグリに呼ばれた。
『シュウこっち来て』
寝室に入ると、スグリがワンピース姿になっていた。
濃いグレーのミニ丈ワンピースに黒のトレンカをはいている。
『かわいい……』
だぼだぼのTシャツ姿しか見てなかった僕は、あまりの変わりように見とれてしまった。
スグリは嬉しそうに笑う。
『ベリアルさんに貰ったんだ。
お出かけするときに着なさいって』
ベリアル……結構いいセンスしてるかも。
彼に出会ってから、初めて誉めてやりたいと思った。
『よし。美味しいものを食べに行こう!』
『お――!!』
そして僕らは、家を出た。