黄緑絵の具
すぐにスグリは靴を履いて立ち上がったけど、やっぱり歩きにくそうだ。
僕は右手を出した。
『ほら、手。
危ないから……』
キョトンとしたスグリの顔が更に赤くなり、ふにゃりとなる。
『えへへ。なんか照れるね』
僕の手を取り、指を絡ませる。
初めて繋いだ女の子の手は、とても温かくて細い。
『シュウの手。大きくてあったかいね!』
足が痛いはずなのに、スグリはとても上機嫌だ。
自分から差し出したのに、すごく緊張して。
手に汗をかいていないか、そればかりが気になって一気に酔いが冷めてしまった。