黄緑絵の具
歩み寄る心。
家に帰り着く頃、僕等はかなり疲れ切っていた。
結局スーパーで肉や野菜、卵やお菓子などを買い込み、大量の荷物を抱えて帰ってきた。
『足痛~い!』
スグリは玄関に上がってすぐ、座り込んでしまった。
『荷物は片付けとくから、着替えておいでよ』
返事はないが、おぼつかない足取りで寝室に向かう。
まだアルコールが抜けていないのだろう。
食材を冷蔵庫に入れ終わり、スグリの様子を見に行くと。
僕の寝室は、女物の服が散乱していた。
『……なにしてんの?』
ベリアルが持ってきた服を全部広げたのか。
『寝るときに着るパジャマっていうのが、どれかわからないの』
困った顔でスグリが言った。
ベリアルのやつ……
持ってくるだけ持ってきて、何にも教えてないなんて!
しょうがない。
見回すとベッドの端に見つけた。
薄いピンクに小花柄の可愛らしい、オーソドックスなタイプ。
『あったよ。はい、これがパジャマ』
手渡すとスグリはふにゃりと笑った。