黄緑絵の具
僕は手をスグリの頬に添え、指で涙を拭う。
その瞬間、スグリが僕の手を掴み、指に付いた涙を舐め取った。
身体がカッと熱くなるのがわかる。
なぜスグリが指を舐めたのかは分からない。
ただその仕草がとても官能的で、伏せた瞳すら色気が漂っているようだ。
目線を上げ、僕を見上げるスグリ。
このままだと僕は、確実におかしくなる。
『僕はあっちのソファーで寝るから』
危機感に襲われ、スグリから離れようとした。
――けれど、スグリに手を掴まれ離れることができない。
スグリは僕を見上げたまま、指にちゅっとキスをする。
ただでさえ興奮を抑えるのが精一杯なのに、頭がクラクラする。
僕の指に触れた唇。
艶やかで形の良い、ぷっくりとした……
いたずらっ子のような表情で、スグリは自分の唇を舐める。
その一瞬で僕の理性の壁は、崩れ去ってしまった。