黄緑絵の具
深まる想いと欲
初めてキスをした日から。
スグリとは普通に接している。
あれから毎晩、スグリと同じベッドで眠りにつく。
だけど全くキスはしていなかった。
僕は毎日学校に行き、バイトが終わると家でスグリと夕飯を一緒に食べる。
スグリも洗濯や掃除などの家事一切をしてくれている。
僕がいない時にワイドショーやドラマを見て、人間のことを勉強しているらしい。
そしてかなり頻繁にベリアルが遊びに来るようになった。
たまに変なお土産を持ってくるけど。
僕等はかなり仲良くなり、友人として親交を深めていった。
『女など男らしく押し倒せば、簡単に落ちるぞ』
絵を描いていると、後ろから声がした。
『また来たの?
悪魔ってよっぽど暇なんだね』
『そう言うでない。
わざわざ暇を作ってここに来ておるのだ』
筆を止めて、振り返る。
ベリアルなのに違和感がある。
よく見ると、ベリアルは女になっていた。