黄緑絵の具


ちょうどスグリが帰ってきた。


『ただいま――。
あ、ベリアルいらっしゃい!』

『スグリ、待っておったぞ。
お前に土産じゃ』

袋いっぱいに入っている水着を見て、スグリは驚いている。

『こんなに沢山! どうしたの?』

『ベリアルが海に行きたいんだって』

『シュウに好みの物を選んでもらうといい。
ではシュウ、計画は頼んだぞ』

そう言うと、ベリアルは煙になり消えていった。

『ベリアル忙しかったのかな』

『たぶんね。
それよりもベリアルが女の姿になってたのは気にならなかった?』

一番の疑問をぶつけた。

『だって悪魔は自由に性別変えれるんだよ』

知らなかったのは僕だけだったんだ。

ちょっと寂しさを感じる。

『ね、ね。いつ海に行く?』

スグリの目が輝いている。

バイトの入ってない土曜日が理想だな。

スケジュールを確認すると、ちょうど二週間後の土曜日が休みになっている。

『よし! この日にしよう』

『やったぁ!!』


その日は夜遅くまで、二人で計画を練った。


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