黄緑絵の具
青い海と黒い夜空
目覚ましが鳴る前に目が覚めた。
カーテンを開けると 、雲一つない青空。
『スグリ、起きて!
いい天気だよ!!』
まだベッドで丸まっているスグリを揺さぶる。
『うみっっ!』
『うわっ!』
スグリがいきなり起き上がって叫ぶから、驚いてひっくり返ってしまった。
起き上がると、もう顔を洗いに行ってしまったのか。
すでに寝室に姿はない。
今日の海水浴を楽しみにしていたから、テンションがかなり上がっているのだろう。
『シュウ! これ可愛い?
変じゃない?』
着替え終えたスグリが目の前でクルクルと踊る。
黄緑色のボートネックTシャツにデニムのショートパンツ。
この日のために、僕がプレゼントしたものだ。
ボブヘアで華奢なスグリにとても似合っている。
『我も綺麗であろう?』
いつの間にか現れたベリアルも、気合いが入っているようだ。
涼しげなノースリーブのワンピース姿で、やけに色気を振りまいている。
僕達が朝食を終えた頃、外でクラクションが鳴った。