黄緑絵の具
アパートを出ると、アキラ達が出迎えてくれた。
みんなにスグリとベリアルを紹介し、二台の車に別れて乗り込む。
アキラの車には、カヨちゃんと僕とスグリ。
アリサちゃんの車に砂川とベリアルが乗った。
行き先は車で一時間の海水浴場。
早い時間に出発したのに、すでにかなりの人達がいる。
予約していた海の家に行き、すぐに泳ぎに行くことになった。
初めて海に入るスグリのために、浮き輪を借りて戻ってくるとまだベリアルがいる。
『いい男を探しに行くんじゃなかったの?』
ベリアルは少し離れた所にいる砂川の方を指差す。
『あいつが邪魔でナンパもできぬ……』
どうやら砂川に気に入られてしまったらしい。
『見た目は悪くないと思うけど。
そんなに嫌なの?』
『じっとり見られて気持ち悪いのじゃ!』
ベリアルの腕は鳥肌が立っていた。