黄緑絵の具


ベリアルのワガママのせいで、みんなでビーチバレーをしたり泳いだりすることになったけど、かなり楽しかった。

日が沈んでくると、海と空がオレンジ色に染まってくる。

ちょうど飲み物を買いに、二人きりになった時だった。

『シュウ! すっごく綺麗だね!!』

感動してスグリは興奮気味だ。

その喜ぶ顔もオレンジ色が映ったように赤味がかっている。

『いつかこの風景を描いて欲しいな』

『必ず描くよ。
絶対スグリにプレゼントするから』


そっとスグリの手を握る。

スグリが僕を見上げて微笑んだ。



今まで触れることができなかったのが嘘のように。

自然にお互いの顔が近付く。


そして僕達は、二度目のキスをした。



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