黄緑絵の具



アリサちゃんが去ってからすぐ、スグリが来た。

『ビール足りないって言うから、カヨちゃんと買ってくるね』


スグリが悲しそうな顔をしてることに気が付いた。

『スグリ、ちょっと待って……』

『アリサちゃんと待っててね!!』

無理やり作った笑顔を見せて、走り去ってしまった。


もしかしてさっきの話を聞いていたのか?

最悪だ。絶対に誤解している。

いや、はっきり言えなかった僕が最低なんだ。

帰ってきたら、きちんと話そう。

そしてアリサちゃんにもはっきり断ろう。



……一時間経っても、二人は戻ってこない。

みんなに二人が帰ってこないことを話した。

アキラも心配して行きたがったけど、僕とベリアルが一緒に探しに行くことにした。


< 55 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop