黄緑絵の具
車の中からガタガタと音がして、車体が揺れだした。
『シュウ! 危ない!!』
ベリアルに引っ張られ、体が再び宙に浮く。
その瞬間、車の窓ガラスが吹き飛び、光が瞬いた。
『……遅かったか……』
『何が起きたの?』
ベリアルは返事をせずに、車の横に下ろしてくれた。
車の中にスグリを見つけた。
『スグリ!! 大丈夫か!?』
両手を縛られ、ガムテープで口を塞がれている。
服はズタズタに裂かれ、半裸に近い。
周りに三人の男が倒れている。
気を失っているようだ。
急いで紐をほどくと、スグリが抱きついてきた。
『怖かった……シュウ、怖かったよ!』
僕は着ていたパーカーを脱ぎ、スグリに着せる。
『この男達に無理やり車に乗せられて……
乱暴されそうになったから、暴れて抵抗したら
…光がピカーッて……』
震えるスグリを強く抱きしめた。