黄緑絵の具
目覚めへのカウント。
男は顔の半分が鱗で覆われており、陰気な雰囲気を醸し出している。
『やはりベリアル、お前の仕業だったのか』
男は感情を交えぬ低い声で言った。
ベリアルの知り合いか?
女って、スグリのことなんじゃ……
『フォルネウス……
スグリは既に自我を持っておる。諦めろ』
ベリアルは僕等を守るかのように前に出る。
『他の色では駄目だった。
もうそいつしかいない。
男、その女を離せ』
『っっ!!』
全身に痛みが走る。
スグリを抱きしめていた手から力が抜けた。
『シュウ!!』
そして目の前にいたスグリは消え、フォルネウスの腕の中にいた。
『黄緑色は私のモノだ。
お前と使い魔の契約は消滅させる。
人間らしい元の生活に戻れ』
そう言うと、フォルネウスはスグリと共に闇夜に消えてしまった。