黄緑絵の具
スグリが消えてしまった。
あの時、僕が手を離さなければ……
悔しさと寂しさがこみ上げる。
『ずっと僕の側にいるんじゃなかったの?
なんで、どこに行っちゃったんだよ!!』
ベリアルの肩を掴み、何度も揺さぶる。
俯いたまま、その口が何かを呟いた。
『なんだよっ!』
『……スグリを取り戻したいか?』
僕の目を見据える。
『お前は死ぬまでスグリと一緒にいる覚悟はあるか?』
ベリアルは僕に視線を向けたまま再度問う。
『ああ。もう絶対に離さない』
スグリとの生活を取り戻せるのなら、僕はなんだってするさ。
スグリがいなくなったことを隠すために、アキラに連絡する。
スグリは見つかって無事だと、そのまま連れ帰ることを伝えた。
そしてベリアルに抱えられ、再び夜空に飛び立った。