黄緑絵の具
それぞれの強い想い
窓の外はまだ暗く、通りには街灯の明かりだけが輝く。
ポケットに手を入れると、ビー玉の冷たい感触。
『覚悟は良いか?』
『ああ』
ベリアルの手が空気をかき混ぜ始めた。
みるみる黒いモヤが集まり、渦を巻く。
あっという間に、真っ黒な穴が出来上がった。
魔界へと通じる穴。
禍々しい気配に後退りしそうになる。
スグリのいる場所へと繋がる唯一の道。
スグリに会いたい。
勇気を振り絞り、ベリアルの手を握る。
『よしと言うまでは絶対に手を離すなよ』
しっかりと手を繋ぎ、穴の中へと飛び込んだ。