黄緑絵の具
『スグリ!!』
姿が見えた瞬間、スグリに駆け寄った。
金魚鉢のようなガラスの水槽が二人を遮る。
透明な液体の中、スグリは裸で膝を抱えている。
眠っているのか?
端正な顔。
閉じられた目がピクリと動いた。
『スグリ! 僕だよ、聞こえる!?』
水槽をドンドンと必死に叩く。
するとゆっくりとスグリの目が開いて、僕の方を向いた。
口をパクパクとさせているが、何も聞こえない。
はやくこの水槽をなんとかしなくては……
『シュウ! こっちに来てみろ』
割る物がないか見回すと、ベリアルが手招きしている。
ベリアルの所に行くと、同じような水槽の中に青緑の光があった。