黄緑絵の具
体に響くような爆発音が鳴った。
大きな音を立てて、二つのガラスが同時に弾け飛ぶ。
ビショビショに濡れるのも構わず、スグリを抱き締めた。
『もう会えないかと思ってた……』
僕の腕の中で呟く。
微かに肩が震えているが、その表情は見えない。
自分の着ていたシャツを、スグリにかけてやる。
『スグリは僕のものだ。
もう絶対に離さない』
『あたしも。シュウから離れたくない』
スグリの唇にキスを落とした。
『ぐあっ!!』
呻き声のする方を向くと、ベリアルの腕からべっとりと血が滴っている。
その奥には無表情のフォルネウスが見える。
『志乃は渡さぬ。
私のモノだ!』
フォルネウスの手から光の塊が現れ……
そしてそれは、凄いスピードで僕に向かってきた。