黄緑絵の具
火が着いた植物の山はパチパチと音を立てながら勢い良く燃える。
メモ紙をポケットから取り出し、僕は呪文を唱えた。
数分経っても何も変化はない。
『やっぱり何にも起きないんだ……』
少しがっかりして魔法陣から出ようとしたその時。
『我を呼んだのはお前か?』
声がする方を振り向くと、見たことがない程に美しい男がいた。
天使のような神々しい美しさ。
驚きで腰が抜けてしまった。
『あっあなたが、神様なの?』
勇気を振り絞って質問すると、美しい人は声を上げて笑った。
『神? あははっ! 我は悪魔だ。
お前が召還術で呼び出したではないか』
悪魔……
でもメモ紙には神を呼び出すって……
フォルネウスって……
僕は自称悪魔に見えるように、メモ紙を突き出した。
『ここには神を呼び出す法って書いてあります!
あなたはフォルネウスさんじゃないんですか?』
自称悪魔はこっちに近寄り、メモを読み上げた。
そして今度は真面目な顔で話し出した。