黄緑絵の具
スグリに会いたい。
これで終わりなんてイヤだ。
封印されたスグリを求めて、家中いろんな所を探し回った。
どういう封印をされたのかもわからないまま。
僕は途方に暮れた。
スグリを求めて、
その痕跡を確認したくて、自分のアパートへと走る。
部屋に入るとあの日のまま。
洗面所に置かれた二本の歯ブラシ。
毎朝コーヒーを飲んだお揃いのマグカップ。
一緒に眠ったシングルベッド。
ひとつひとつのモノ達が、二人で過ごした日々を色濃く物語っている。
『スグリ……どうすれば君に会える?』
切なくて、苦しくて。
身を引き裂かれるように心が痛い。
声を殺して泣いた。