黄緑絵の具
興奮からか、身体が熱い。
キャップを外す手まで震える。
左手のひらに向けて、ゆっくりと絵の具を出していく。
そして
初めての出会ったあの時と同じように。
黄緑色の絵の具にまみれて、裸のスグリが現れた。
あの時と違うのは髪が黄緑色なだけ。
僕の手のひらの上で、だんだんと大きくなるスグリ。
そのまま支えられるわけもなく。
黄緑色に染まったスグリが、僕の身体にのしかかってきた。
『うわぁっっ!』
勢いで倒れてしまうと同時に、スグリの身体を受け止める。
『やっと見つけてくれた』
『うん……スグリは僕のものだから。』
折り重なるように倒れた僕等に、多くの言葉は必要なかった。
絵の具にまみれることも厭わず。
黄緑色に染まった空間で、
お互いを強く抱きしめ合った。