黄緑絵の具


スグリの言葉は、すごく衝撃的だった。

これから先に続くであろう行為に、胸が高鳴る。

最後の一線が、ぷつりと音を立てて切れた気がした。


『僕もスグリが欲しい。
スグリの全部を僕のものにしたい』


スグリは嬉しそうに微笑み、自分からキスをしてきた。


その仕草が愛しくて。

そのままスグリの身体を抱き上げ、浴室へと向かった。



『髪の毛……
黄緑色になっちゃった』

『何色だとしても、スグリじゃないか。』

鏡越しに合う視線。

その表情もたまらなく可愛い。

乾いた絵の具でさえ、愛おしく感じる。


『先に浴びておいでよ。』

『やだ! シュウと離れたくない!』


スグリは首にしがみついて離れようとしない。

離れたくないのは僕だって同じだ。

だけど自信がない。


『……初めてなんだ。ずっと一緒だと我慢できなくなるかもしれない。』


きっと今の僕は弱気な顔になっているだろう。

男として情けない。




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