黄緑絵の具
新たな再生


部屋に差し込む日射しが眩しくて目が覚めた。


夏特有の強い光が部屋に射し込んでいる。



昨晩は果てた後、二人ともそのまま眠り込んでしまったらしい。

腕枕のまま、スグリは気持ちよさそうな寝息を立てている。


起こさないように優しく抱き寄せた。

柔らかくて暖かくて。

もう絶対に離したくないと強く思った。


『……うぅ、ん……』

強く抱きしめてしまっただろうか。

スグリは唸りながら起きてしまった。


『シュウ……おはよ』

『おはよう』

寝ぼけたまま微笑むスグリにキスをする。


『……あたし、シュウのものになったんだよね。
夢じゃないよね?』

そう聞いてくるスグリをとても愛しく感じた。

『ああ、僕のものだ。
スグリが嫌じゃなかったら、桑原さんとスミレさんみたいな。
……最期の時まで一緒にいたい』


恥ずかしくて、照れた顔を隠すようにスグリを抱きしめた。



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